2011-05-18
I can't wait until I grow up
児童虐待防止キャンペーンのCM.
子供が自分の権利を主張しながらも、お父さんであろう人に叩かれ、服を掴まれ引き摺られたりと結構ショッキングな映像が使われている。
最後に一言「大人になるまで僕は待てない(I can't wait until I grow up)」と。
これを観てどうしようもない違和感に苛まれたんだけど、それが何故なのか考えてみた。
このCMに限らず、環境保護とか動物虐待とかの社会系キャンペーンを観た時に感じるどうしようもない気持ち。
違和感の根源は「それらのCMを観ると(テンションが)落ちる」ところにあるんじゃないかな?と。
人はポジティブなイメージを抱いた瞬間にアクションに移る。
「これ美味しそう!」とか「イイネ!」と思わせることで消費者を行動に繋げる。
しかし児童虐待防止や環境保護を謳った公告は、公告の良さが人の気持ちを鎮めてしまう。
それはきっと普段無視してきた事実や、自分は関係ないと思っていた事実を眼前に突きつけられるから。
少年がつぶやいていた「僕には話を聞いてもらう権利がある」とかってのはこどもの権利条約の条文かなにかだと思うんだけど、言葉自体はそのままスッと頭に入ってくる。
しかし言葉以上にショッキングな映像のせいで、目を背けてしまいたくなるのだ。
「普段無視していた、気付かないふりしてきたことから目を背けたくなる」ってどれだけお前残念やねん。って言われそうだけど…
一言で言うと「安直」なのかな?と。
もちろんブレストして、媒体考えて、キャスティングして…ってして生まれたこのCMなんだけども、「皆が無視している事実」を出来る限りショッキングな方法で「無理矢理にでも見せつける」って方法がスタンダード過ぎて体が受け付けない。
今風に言うとこれをシェアする気にはならないんだよね。
自分がこのCMを観た後に、たまたま児童虐待が行われている家庭を見つけたとして、市役所なり管轄部署に連絡出来るかな?と思ったら出来なさそう。
むしろ「I can't wait until I grow up.」って言葉が怖くて、この子が大きくなったらどうすんの?って心配してしまう。
早く大人になって家を出たいってだけなら良いんだけど「I can't wait until I grow up...because I could fight back.」とかだったらそれこそ悲劇だし。
うーん、皆がこの手のCMを観てどういう感想持つのかめちゃくちゃ興味ある。
コメントにでも思ったこと書いてってね。
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